あなたにとっての特別な“言葉”となり、
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さあ なんでも話してごらん
話したいこと 全部By 小林先生
『窓ぎわのトットちゃん』より
「ねえ、話ちゃんと聞いてる?」
そう言われたこと、または伝えたことはありませんか? 聞いている本人はそのつもりでも、スマホを見ながらだったり、背をむけていたりすると、話す側は真剣に受け止めてくれていないと不安になるものです。頭では理解しているつもりでも、慌ただしい毎日の中で「話を聞く」のはなかなか難しいですよね。
映画『窓ぎわのトットちゃん』は、世界で最も多く発行された自叙伝としても有名な黒柳徹子の同名小説を原作にしたアニメーション作品です。主人公・トットちゃん(大野りりあな)は、好奇心旺盛で活発な女の子。興味を持ったことがあればすぐ行動し、自分が納得するまで探求します。しかし、その行動が教室のルールを乱し「迷惑になる」という理由で、通っていた学校を退学になってしまうのです。
途方にくれた母親が、次にトットちゃんと電車に乗って向かった先は「トモエ学園」でした。木々や花に囲まれた校門の先には電車の教室が見え、トットちゃんは目を輝かせます。 出迎えてくれた校長の小林先生(役所広司)は、トットちゃんに向き合い、こう話しかけました。
「さあ なんでも 話してごらん 話したいこと 全部」
トットちゃんがどれだけ話しても小林先生は「話し足りないことはないか」と問いかけてくれるので、興味のあることや将来なりたいもの、そして家族のことなどをどんどん話します。そして一通り話し終えた後、彼女はうつむきながら「どうしてみんな 私のことを困った子って言うの? 私はトットちゃんなのに」とつぶやくのでした。そんな彼女へ小林先生は、目線の高さを合わせ直し「きみは、本当は、いい子なんだよ」と伝えます。
「育ち」の場に、受け止める相手は欠かせません。それは、言葉も行動も、そしてその人自身も、価値は受け止める側があってこそ輪郭が現れるものだからではないでしょうか。ときには黙って見守り、ときには対話をしながら生徒たちを導いていく小林先生のもとで、トットちゃんはワクワクに満ちた日々を送ります。
その一方、本作では、子供たちの輝く日常を戦争がだんだんと侵食していく様子も描かれています。大人たちからはだんだんと子供を受け止める余裕が奪われ、子供たちの日常やイマジネーションからは色彩が失われていきます。映画館で今作を鑑賞していた子供が隣の親に「これはトットちゃんの怖い夢なの?」と問いかけた言葉が忘れられません。
「平和な世界」は「永遠につづく未来」ではありません。そのために私たちは何をすればいいのかを、小林先生の「世に恐るべきものは『目あれども美を知らず、耳あれども楽を聴かず、心あれども真を解さず、感激せざれば燃えもせず』の類である」という言葉をたずさえて考え続けたい。変化の中をたくましく生きる「トモエ学園」の先生たちと子供たちの日常を体感し、そう思いました。
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- 「ダメなところも含めて、自分を愛すること。 誰しも愛されるために、完璧である必要はないのです。」
- 「記憶というのは 生きていくための燃料のようなものです」
- 「君が君だから 僕は好きだ」
- 「私たち ちゃんとした大人になれるかな?」 「余裕でなれるよ だってぼくたちはぼくたちなんだから」
- 「男女間であろうとも 苦手な人であろうとも 助けられることはある」
- 「さあ なんでも話してごらん 話したいこと 全部」
- 「とりあえずゆっくりして。適当に、ね」
- 「人をわかるって どういうことですか?」
- 「弱くて当たり前だと 誰もが 思えたらいい」
- 「今しかねぇ 今しかねぇんだよ」
- 「今は無理でも 必ずできる日は来るよ」
- 「怒っていいよ 怒って大丈夫だよ」
- 「私が全部聞いてやる!宮沢賢治の一番の読者になる!」
- 「歌うとしたら あなたのため」
- 「みんなで食べても美味しくないものもあるし 一人で食べても美味しいもんは美味しいよ」
- 「今 俺 変わろうとしています」
- 「キツくても…心臓バクバクでも… めいっぱい平気なフリをする」
- 「だってこころちゃんは毎日、闘ってるでしょう?」
- 「戦おう 約束を果たすために! 世界に自由をもたらし—国境を取り除き—貪欲と憎悪を追放しよう!」
- 「そろそろ前に進むときだろう?」
- 「でも勇気を出した だから立派だよ」
- 「“大きい”なんて言葉は 空には小さすぎるわ 空を表すにはもっと大きな言葉を」
- 「顔の前にあることだけを見ることが出来たら何も怖くありません」
- 「人って 思ってもみないふうになるものだからね」
- 「いい音楽が生まれるのは完璧な時じゃない 誰かを想う時よ」
- 「平凡はイヤ “特別”になりたかった」
- 「悪かった」 「僕もごめんね」
- 「人生はチョコレートの箱。食べるまで中身はわからない」
- 「不思議だわ。 これほど人間の邪悪な面を見てきても、今なお心の奥底で私は信じてる。人間の本質は“善”なのだと」
- 「だから私も残しておきたいんだよ 私が生きた証」
- 「弱いからいいんだ。佳代ちゃんの弱さは武器だから」
- 「私たちは間違ってないから」
- 「“運命”の偶然を信じれば 人生は変わるのに」
- 「複雑なことを無視して、世界を簡単にしたくないんだ」
- 「お互いさまだろ?」
- 「一番近い人間に思ってること言わないで じゃぁ誰と本音で付き合うんすか」
- 「いちばん言いたいことが言えないってさ、それって好きってことなんじゃないの? 大切だから言えないってことなんじゃないの?」
- 「わかろうとする、99%でも……99.9%でも近づこうとする、寄り添うことはできる」
- 「5年後は未知の世界 ただ今を生きている」
- 「誰かに教わったことを また誰かに教えて そうやって世の中ってのはできてるんだな」
- 「いっぱい未来の話、しよう」
- 「私の未来は誰にも分らない 私でさえ」
- 「それがしは選んだのだ 生きることを」
- 「よく噛んで、美味しいがきたら飲み込んでよし」
- 「あんなにかわいい瞳を私、どうしても濁しちゃいけないと思ったわ」
- 「人間を見ているのは なぜ こうも面白いのでしょう」
- 「困った顔でも、腑に落ちなくても、誰かが泣いていても、怒っていても、サクラはしっぽを振る」
- 「そうか 戦ってもいいんだ」
- 「普通も大変そうだね」
- 「私は呼吸する、呼吸している」
- 「心の声を聞くわ」
- 「いっぱい失敗したから 今の自分がある。まぁ 今も失敗ばっかりやけど」
- 「俺の知ってる命ってのはよ、この理不尽な世界で唯一、平等で大切なもんや」
- 「必死すなわち生くるなり」
- 「倒れても、剣は降ろすな」
- 「腹いっぱい食べて、笑ってたら、人間なんとかなるからさ」
- 「私、もう逃げないわ」
- 「好きなことがあるのは いいことなんじゃないかな」
- 「そんなに苦しまなくていいんだよ」
- 「我々には世界を知る手段が必要です」
- 「空気読んで何もしないくらいなら、間違っててもやる方がいいんです」
- 「でもママとは別々よ」
- 「物事は単純だ。それに対し人間は不可解なことばかり。物事を複雑にする」
- 「作家は書かなきゃ」
- 「言霊ってあるんだよ、言葉の力って凄いんだから」
- 「僕、生きてますよ、今」
- 「誰かと走るって、楽しい!」
- 「僕は、僕の世界を諦めない」
- 「すてきな荷物が運べた。金なんか要らない」
- 「自分自身の体でさ、実際にやったことと、その中で感じたこと考えたこと、自分の責任で話せるのってそのぐらいだろ?」
- 「割れたガラスの破片をただ片付けたくて、人生を片付けてしまった」
- 「同じ人間なんだよ」
- 「実際は迷ってばっかりだけどさ やるしかないよね」
- 「思ってるだけで何もしないんじゃな、愛してないのと同じなんだよ」
- 「正しいとか間違ってるとかじゃない。多数派の意見があるだけなんだ」
- 「明日のことは分からない。だから毎晩が舞台の初日であり、千秋楽でもある」
- 「本当に好きなら、逃げてばっかりじゃだめだよ」
- 「思い切って、人の助けを借りる勇気も、必要なんだよね」
- 「君は幸せになっていいんだ」
- 「私たちは一組の古い靴下みたいね」
- 「ノーマル? そんな人いないわ」
- 「技術とかね、魚も大事だけど、そこに対する気持ちが一番大事なんですよ」
- 「整理とは、捨てることなり」
- 「他の人の気持ちが分からないなんて当たり前じゃないか。 分からないから興味を持つんだろ。分からないから話をするんだろ」
- 「テメェでテメェを大事にしなくて、誰が大事にするもんか」
- 「壊れたら、直せばいいんだからな」
- 「人がどう思うかは関係ない。誰を愛するかは私が決める。私の人生よ」
- 「やってけなくても、やってかなきゃならないと思います」
- 「自分を醜いと知った人間は、決してもう醜くねぇって」