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みんなの感想、集めました!

「目の見える人、見えない人が映画・ドラマ体験を語り合うワークショップ みんなでマッピング編」 開催!

「目の見える人、見えない人が映画・ドラマ体験を語り合うワークショップ みんなでマッピング編」 イベント
「目の見える人、見えない人が映画・ドラマ体験を語り合うワークショップ~『座頭市』から『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』まで〜」のみんなでマッピング編を、2024年12月8日(日)に開催しました。
ワークショップに参加し感想をお寄せいただいた皆さんの声をお届けします!

みんなで、まだ「描かれていないマイノリティ像」を探る

日時
2024年12月8日(日)
開始:18時30分~(2時間30分程度)
場所
生活工房 5F セミナールームAB
(東京都世田谷区太子堂4丁目1−1 キャロットタワー)

映画・ドラマを囲みながら、視覚障害者のキャラクター像について、みんなで考えるイベントの「みんなでマッピング編」を開催いたしました。

今回は、11月に行われた「みんなでトーク編」に引き続いてのイベントとなります。
前回浮かび上がった、映画・ドラマに登場する「視覚障害者のステレオタイプ」にそって、実際の作品をみんなでマッピングし、そこから浮かび上がってくる「描かれていないマイノリティ像」を考えてみようというワークショップです。

前回のイベントレポート

参加者には、前回から参加している人だけでなく、今回が初めてという人も多くいました。また、映画はあまり観ないけれどワークショプのテーマに惹かれた人や、友人に「このイベントに参加してみたら?」とオススメされた人、映画業界で働いている人などがおり、様々な視点でイベントに興味を持って集まってくださったようです。

「目の見える人、見えない人が映画・ドラマ体験を語り合うワークショップ みんなでマッピング編」 イベント

まずは、企画発案者である永尾真由さんから、前回の振り返りと今日のイベントの流れの説明とともに、「ただマッピングをするだけでなく、みんなで作品へのモヤモヤや想いなども話し合いながら進めていきたい」とお話がありました。

いよいよワークショップが開始!
2つのグループに分かれて、まずは自己紹介。その後、前回のイベントで浮かび上がった、映画・ドラマに登場する「視覚障害者のステレオタイプ」のひとつ「特殊能力ある↔︎なし」などのテーマで、実際の作品をリストを見ながらみんなでマッピングを行いました。

「目の見える人、見えない人が映画・ドラマ体験を語り合うワークショップ みんなでマッピング編」 イベント

「映画の中の視覚障害」事前リストはこちら

自分が観ていない作品については、グループの中の観ている人の説明を聞いて「ならばここかな?」と配置したり、「特殊能力とは?」「マッピングの基準を何とするか?」などを話し合ったりしながらみんなで進めていきます。知らない作品に触れる機会にもなるので、「面白そう!ぜひ観ていたい」と作品への興味がわいた人も多かったようです。

一通りマッピングが終わったところで、グループごとにマップを見ながら「まだ描かれていない視覚障害者像」について考え、最後に発表を行いました。

マッピングを行う中で、だんだんと「まだ描かれていない視覚障害者像」が浮かび上がってくるだけでなく、初めて会ったもの同士でも、映画・ドラマを真ん中に置くことで、議論をこんなに深められるんだとわかったことも得難い経験となりました。

「目の見える人、見えない人が映画・ドラマ体験を語り合うワークショップ みんなでマッピング編」 イベント

〈みんなから届いた声〉
ワークショップ 感想

12月8日に開催された「目の見える人、見えない人が映画・ドラマ体験を語り合うワークショップ~『座頭市』から『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』まで〜」のみんなでマッピング編に参加され、感想をお寄せいただいたみなさんの声をこちらに掲載します!(PINTSCOPE編集部で厳選し、掲載させていただいております)

ご参加いただき、ご感想をお寄せいただいたみなさん、ありがとうございました。

初めてお会いした方々とのグループディスカッションは刺激がありました。また視覚障害者であるスタッフの方との会話は非常に勉強になりました。観たことのない作品も多かったため、あらためて鑑賞したくなりました。
同じチームで、引き続きもっと話を深めて、ステレオタイプを探りたいという名残惜しい気持ちになりました。スタッフの皆様がつくる話しやすい雰囲気もあり、議論が楽しかったです。

帰宅後にふと思ったのは、「映画ジャンル」で分けても何か発見できるのではないかと思いました。「アクション」「サスペンス」「恋愛」など、ジャンルに偏りはあるのか?聴覚障害者のキャラクターはなんとなく「恋愛」映画が多い気がして、一方で視覚障害者の恋愛映画は比較すると少ないような?少ないならそれは何が要因として考えられるのか?など。 解散後も、自分が知らないうちに受容してきた偏見にはどんなものがあるのかなどを考えてしまう、刺激的なワークショップでした。
ワークショップで様々な作品に対しての意見を、直接感じることができた貴重な経験でした。皆さん優しく話しかけてくださって温かい空間だなと感じることができたと思います。観たくなった作品は『座頭市』です。私のいるグループでは作品を「特殊能力あり↔︎なし」に分ける際、『座頭市』を基準として会話が進んでいました。私以外ほとんどその作品を知っていたみたいでしたが、私は観たことがなく、黙って聞くことしかできませんでした。その時、作品を知っていればこの会話に混ざることができていたのかなと感じました。また、『ベイビーわるきゅーれ』を知っている方がいて、幅広い世代に認知されている作品なんだなと感じました。

印象に残ったことは、手術を通して「見えるようになった」ことをハッピーなことと捉えるのはステレオタイプなんじゃないかと議論したことです。見えるようになったことで悪い部分も見えてしまうという考えは、私は持っていなかったなと感じました。
健常者による障害者の特性を盗用した演出の問題について、当事者の方と意見を交わせたことは、仕事で映像を作る人間として貴重な経験になったと感じています。障害だけでなく、世代を超えた意見が集まってテーマを考えていく作業はとても楽しかったです。
ワークショップを通して、例えそれが「障害者にとって良くない」と健常者側が思っていても、当の本人はそう思ってはおらず、健常者側の視点でしかないことが多くあるということを学んだ。その溝、または隔たりをどのように狭めるのか、改めて考えさせられた。
最近の視覚障害者が登場するドラマや映画では、「日常」を描いているものが多くなってきているという気づきは興味深いと思いました。 また視覚障害者がどのように映画を楽しんでいるのか、それが中途失明と生まれつきの人とで違うことなども知ることができました。

今後のイベントについて

企画発案者・永尾真由さんより
研究プロジェクト「映画・ドラマは視覚障害者をどのように描いてきたのか」では、今回の参加者の方は、もっといろんなステレオタイプを一つ一つ丁寧に掘り下げたいという感想もあったので、絞ったテーマごとに映画・ドラマ作品を分析するシリーズ、1本の映画・ドラマを上映し、それを囲んで語り合うイベントを開催できればと考えております。
(全文は、こちらから読むことができます)
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