主人公である"私"が東北弁で語りかける。映画を観る者を挑発的するファーストシーン。そして空にあこがれて失墜した少年の死亡記事。"私"の声が虚しく響き渡る。万引き常習犯の祖母、戦争犯罪人の父、ウサギにしか心を開かない妹。行き場のない鬱屈した情熱を持て余し、"私"は奇妙な人々と出会い、幻想と回想の入り混じった街を放浪する。