都会で幼い息子の大二郎と2人暮らしの琴子。彼女には世界が二重に見えていた。しかし、歌っているときだけはひとつに見える。そんな彼女にとって世の中は恐怖に満ちあふれ、息子を守ろうとする気持ちは過剰な強迫観念となって襲いかかってくる。やがて周囲に幼児虐待を疑われる事態となり、大二郎は琴子から引き離され、沖縄に暮らす姉のもとへ預けられる。そんなある日、彼女の歌に魅了された小説家・田中が近づいてくる。