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人生一度きり。 自分を信じないで、誰を信じる!?
― 『ダンスウィズミー』(2019 年8月16日公開)は、「歌あり」「踊りあり」「笑いあり」というコメディ・ミュージカル映画で、三吉さんはオーディションから主演に抜擢。「オーディションの合格が幸せの頂点だった」というほど、準備と撮影が大変だったそうですね。
三吉 : 歌やダンスだけでなく、テーブルクロス引きやポールダンスといった特殊なスキルを習得するのも大変だったのですが、やはり主演を務めるという重圧が一番大きかったです。『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』を手がけた矢口史靖監督が撮る本格的なコメディー・ミュージカル映画ということで、周りの方がすごく期待をしてくださっているのを感じて。「いい作品にしなければいけない」というプレッシャーとの戦いでした。
― そのプレッシャーをどう乗り越えたのでしょうか?
三吉 : 撮影が進むに連れて、やしろ優さんやchayさんなど、いろんな方と一緒に演じるシーンが増えてくると「一人じゃない」という安心感が出てきて、そこからプレッシャーをいい方向に切り替えて臨むことができました。
やしろ優さん演じる千絵ちゃんとコワモテのお兄さん達と一緒に、ヒップホップダンスを踊るシーンでは楽しむ余裕ができてたくらい。私は小さい頃、ヒップホップを習っていたことがあったので、「懐かしいな、このダンス〜!」と楽しんで踊れましたね。
― 新潟や函館でのロケなど多くの撮影を共にした、お笑い芸人のやしろ優さんや歌手のchayさんとは、とても仲良くなられたそうですね。宿泊先では毎晩のように深夜までおしゃべりに夢中になったとか。
三吉 : 三人とも職業も違うし、姿格好もバラバラなんですが、なんかすごく性格が似ていて…。いい意味で、あんまり他人に興味がないというか、周りに干渉を全くしない三人なんです。例えば、三人で話した内容を、一週間後には誰も覚えてないみたいな(笑)。
それくらい三人で、いつもくだらない話をしているんですけど、誰かが急にスマホでゲーム始めても、誰も嫌だと思わない。すごく波長が合っているような気がします。
― 大変な撮影の中で、三吉さんにとって心を許せる時間だったのですか?
三吉 : 私にとって友人と過ごす時間は、心から楽しいと感じる時間なんです。その他の日常で楽しいと感じるのは、映画を観ている時ぐらいなので。
― 人と会ったり話したりするのがお好きなんですね
三吉 : ストレス解消って、買い物とか寝る、食べるなど、人によってそれぞれだと思うんですけど、私は「人に会う」なんです。でも、別に愚痴を聞いてもらうわけではなくて、いまはどんな時代なのか、何が求められているのか、こういうことをクリエイトしていきたいとか、ご飯を食べながらディスカッションするのが、とても楽しくて。
― 仕事でプレッシャーなどがあっても、人と話して深めることで、切り替えることができてるんですか。
三吉 : 私の仕事は、日々色んな現場で、色んな人と会うので、自分が気負ってネガティブになると、本当に疲れてしまうんです。だから、ネガティブにならないように、無理矢理にでも思考をポジティブにして、あまり突き詰めて考えすぎないように心がけています。できるだけ、自分をフラットな状態に保つように。
― ポジティブな考えをするようにしていると。
三吉 : 実は、私、学生時代はネガティブな考えをしがちだったんです。でも、ネガティブな考えをしていると、同じような考えの人が周りに集まるようになって、よりネガティブになってしまうことに気づいて。「これだと、いい方向にはいかない。何も生み出さない!」と思って、ポジティブでいるようにしたんです。そしたら、ポジティブな考えの人が周りに集まるようになって、いい循環が生まれました。そこからですね。
― いつもポジティブな考えでいるためには、どうすればいいですか?
三吉 : まずは自分を知ることにしています。自分がどんなことをやりたいと思ってるのか、どんなことが好きなのか。そうすることで、自分がどんな人とフィーリングが合うのかが見えてくるんです。
だって、友達とか周りにいる人全員に好かれるのは難しいし、疲れるじゃないですか。
― いつも仕事や日常に前向きに向き合えるようにするために、自分がネガティブにならないことを意識しているんですね。
三吉 : でも、それは自分にだけでなく、自分の周りにも適応させています。決して誰かが傷つくようなネガティブな言い方はしません。だから、自分が発する言葉は、すごく選ぶようにしています。
― 自分だけでなく、他人がネガティブな思考にならないようにも、気遣っていると。
三吉 : 矢口監督も、それこそ言葉を一言一言選んで、役者やスタッフ誰のことも傷つけないように撮影現場で発言される方でした。でも、それは遠慮した言葉なのではなく、自分が撮りたいものをきちんと相手に届ける言葉、相手に寄り添った言葉と言えると思います。
三吉彩花の「心の一本」の映画
― 先ほど、楽しい時間は人と会う時以外に、映画をみる時とおっしゃっていましたが、映画がお好きなんですね。
三吉 : 今作がミュージカル映画だったので、最近話題になったミュージカル映画は一通り観ましたね。それぞれに好きなところが違って。例えば、『グレイテスト・ショーマン』(2017)は歌が好きだったり、『ラ・ラ・ランド』(2016)はストーリーより質感とかスタイリングとかの世界観が好きだったり。
でも、私はホラー映画が一番好きなんです!
― おお! ホラー映画とは意外です!!
三吉 : いつから好きかというのは覚えてないんですが、小さい頃にホラー映画に出演したことがあって。多分、その時にホラー映画を観てみようと、そしたらハマりました。
― ホラー映画のどんなところに惹かれるんですか?
三吉 : 好んで観るのは、観客側に「これはどういう意味なんだろう?」と考えさせる作品なんです。ホラー映画って、いろんなところに仕掛けがあって、「ここが繋がってるのか!」「これ、あの時出てきた人! えー!? そういうこと?」みたいに、観進めることでわかっていくことがあって面白いんですよね。もう一回観たい! っていう気持ちにさせてくれる。
でも、邦画のホラー映画はダメなんです…(笑)。
― 洋画のホラー映画は好きで、邦画のホラー映画は嫌い?
三吉 : 洋画だと、「悪魔払い」「ゾンビ」とか自分に馴染みがないモチーフが使われるので、別世界の話として観れるんですけど、邦画だと知っている街が舞台だったり、心霊現象を描いていたりするので、自分と繋がっている世界と感じてしまうんですよね。だから、お風呂に入れなくなったり、トイレの窓に何かいるように感じたり…(笑)。
そういう意味で、お化け屋敷も苦手です。今作で催眠術が出てきますが、もし実際にかけてもらえるなら、お化け屋敷が大丈夫になる催眠をかけてもらって、リアルな怖い有名なお化け屋敷を楽しんでみたいです!
― 一番お好きなホラー映画を教えてください。
三吉 : 「死霊館シリーズ」が大好きです。2019年の9月に新作の『アナベル死霊博物館』が公開されるんですが、今から楽しみにしています。
― 第1作『死霊館』(2013)は、心霊現象研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻が本当に遭遇した事件を元に作られた作品ですね。日本では今までに5作公開され、6本目となる新作がこれから公開予定な人気シリーズです。
三吉 : アナベルという呪いの人形を軸にした映画のシリーズなんですが、この人形って実在するんです。アメリカのコネチカット州にあるウォーレン夫妻の博物館に厳重に保管されていて、他にも悪魔にとりつかれたり呪われたりした人形が収められています。『アナベル死霊博物館』は、その実在の場所を映画にしているので、「実話が観れる!?」って。そこに、行ってみたいんですよねー。
― お化け屋敷はダメで、アナベル死霊博物館には行ってみたいと…。
三吉 : 今作のプロデューサーの方も、ホラー映画が好きで、ロケ地めぐりや題材になった実在する場所を訪ねていると聞いて、羨ましくて…。「アナベル死霊博物館」も行ったそうなんですよ!
今日もメイクをしながら、「死霊館シリーズ」の映画ずっと観てましたからね。いつもホラー映画観てるんです、なんだか心が落ち着いて…。……なんか、ホラー映画で精神を落ち着かせるってヤバいですかね? 結構ヤバいですよね(笑)。