映画『君は行く先を知らない』 みんなの感想、集めました！

家族の「最後の旅」へ、ようこそ。
映画『君は行く先を知らない』

イランの「今」を、世界に届ける。
試写会&トークイベント

8月21日に、映画『君は行く先を知らない』の特別試写会が行われました。

試写会後のトークイベントには、ゲストとして、映画解説者の中井圭さん、前東京国際映画祭ディレクターの矢田部吉彦さんが登壇。

まずは、東京国際映画祭でも多くのイラン映画を届けてきた矢田部さんから、観客の皆さんに「（この映画）わかりましたか？」という問いかけがありました。

客席からの「面白かったけれど、わからないところもあった」という反応を受け、矢田部さんは「わからない人がいても当然。それは、この映画が“わからないように作られている”からです」と、検閲が厳しいイラン映画を取り巻く状況を説明。

中井さんからは、「父・息子」の関係が描かれていた今作を紐解く上で重要な、パナー・パナヒ監督の父であるジャファル・パナヒ監督についての説明がありました。

ジャファル・パナヒ監督は、政府から“イラン国家の安全を脅かした罪”として20年間の映画制作禁止と出国禁止を言い渡されるも、政府に見つからないよう映画を撮り続けた不屈の映画監督。息子であるパナー・パナヒ監督は父の現場に入り、その背中を見て映画監督になったという背景が語られました。

お二人からは「お父さんの苦境を見ながら、よく自分も映画監督になろうと思ったなと…！」「自分だったらヒヨってしまう…」という感想も。

また、今作を含めたイラン映画で多く描かれる「家族」「子供」「車」というモチーフの意味についても言及。厳しい制約の中で、自由に表現するためのアイデアだということを知り、観客席では「なるほど」とうなずく姿が多く見られました。

現在進行形で新しい才能が弾圧を受けるイランで、『君は行く先を知らない』が描こうとしたものに思いを馳せる意味、また、映画を観た人が、映画から受け取ったものを世界に発信していくことの意味を考えさせられる時間となりました。

「映画の機能は、ただ“面白いだけではない”」というお二人の言葉を反芻しながら、映画の余韻に浸る帰路となったのではないでしょうか。

〈みんなから届いた声〉
映画『君は行く先を知らない』感想

8月21日に開催された映画『君は行く先を知らない』のトークイベント付き特別試写会に参加され、PINTSCOPEに感想をお寄せいただいたみなさんの声をこちらに掲載します！（PINTSCOPE編集部で厳選し、掲載させていただいております）

ご参加されたみなさん、ご感想をお寄せいただいたみなさん、ありがとうございました。