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映画の言葉『そして僕は途方に暮れる』菅原裕一のセリフより

「今 俺 変わろうとしています」

©2022 映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

今 俺 変わろうとしています

By 菅原裕一

『そして僕は途方に暮れる』より

人と人が暮らしていく中で生まれる「わだかまり」。解消するためには対話が必要ですが、他人や自分と向き合うのはカロリーがいること。忙しない日々を言い訳に、うやむやにしていませんか?

映画『そして僕は途方に暮れる』の主人公・菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は、恋人・里美(前田敦子)と長年同棲しながら、自堕落な日々を過ごすフリーター。彼女と些細なことで言い合いになりますが、話し合うことから逃げ、家を飛び出してしまいます。頼る先を自分のスマホの中から探し、親友、先輩、後輩、家族のもとへと向かいますが、自分のいたらなさに矛先が向かうと、まるで「めんどくさい」から背を向けるように、あらゆる人間関係を断ち切っていくのです。

「今 俺 変わろうとしています」

この言葉は、裕一が劇中はじめて自分の感情に向き合った際に、吐露したセリフです。彼は拙いながらも、自分の正直な気持ちを振り絞りながら、大切な人に伝えようとしました。 お互いの感情をぶつけ合うコミュニケーションは、「コスパが悪い」かもしれない。しかし、他人にも自分にも向き合うことなく、日々を曖昧に過ごすことばかりを選択していると、いつしか自分の感情が自分でわからないという状況に陥ってしまうかもしれません。

人間は感情がある「面倒な」生き物ですが、感情があるからこそ「面白い」。今作を観て、再確認しました。

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INFORMATION
『そして僕は途方に暮れる』
脚本・監督:三浦大輔
出演:藤ヶ谷太輔
前田敦子 中尾明慶 毎熊克哉 野村周平 / 香里奈 原田美枝子 / 豊川悦司
原作:シアターコクーン「そして僕は途方に暮れる」(作・演出 三浦大輔)
音楽:内橋和久
エンディング曲:大澤誉志幸「そして僕は途方に暮れる」
製作:映画「そして僕は途方に暮れる」製作委員会
制作プロダクション:アミューズ 映像企画製作部 デジタル・フロンティア
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
公開中
©2022 映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会
フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は特にやりたいこ とや目標もなく、自堕落な日々を過ごしている。同棲し て5年の恋人・鈴木里美(前田敦子)に甘えて、気まま で気楽な生活をおくっていたものの、ほんの些細なこと をきっかけに今後のことを話し合おうと迫られるはめ に。ばつが悪くなった裕一は、とんでもない言い訳をし ながら、その場しのぎで荷物をまとめて家を飛び出して しまう。とりあえず幼い頃からの親友・今井伸二(中尾 明慶)の部屋へ転がり込むのだったが......。
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