目次
でも、この溢れる想いは言葉だけじゃ伝えられない!
映画に描かれた様々な「愛を伝えるシーン」から、言葉やキスやハグだけではない“大切な人への愛の表現” を紹介します!
『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』
から学ぶ”愛の伝え方”
夫を、元妻に返すプランを
元妻に提案してみる「マギーがジョーゼットに、ある提案を打ち明けるシーン」より
幸せになりたいなら
愛は2人だけで育まなくてもいい
誰かを愛するという気持ちは、恋愛だけでなく、家族や友達など、様々な関係の中に存在します。愛する気持ちは、その関係性ごとにあるはずなのに、そこへ「恋愛」が挟まった途端、ややこしいものになってしまうことが多いのはなぜなのでしょう?
例えば、夫と夫の元妻とその連れ子と自分の娘、それぞれに対して愛があった場合、そこにはどんな幸せのかたちが存在できるのでしょうか。『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』(2015)はまさに、そんな「愛のかたちの模索」を知ることができます。主人公・マギー(グレタ・ガーウィグ)がとった、一見、常識はずれに見えた行動は、自分の周りにいる人たちを、それぞれに愛しているからこそのものでした。
ニューヨークの大学でアーティスト・コーディネーター(美術科の学生向けに、アートをビジネスにするための戦略を練る職業)として働くマギーは、実は小説家になりたいという夢を持つ文化人類学者のジョン(イーサン・ホーク)と大学で出会い、彼に自分の書いた小説を読んでほしいと頼まれます。マギーは読後、その感想を伝えたところ彼は大喜び。それがきっかけとなり、度々彼の小説について意見を交わすようになったマギーとジョンは、次第に距離を近づけていきます。ジョンには家庭がありましたが、教授としてバリバリ働いている妻ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)との関係は冷めきっていて、マギーが心の拠り所になっていました。そしてジョンとジョーゼットは離婚、ジョンはマギーと再婚を果たします。
その数年後マギーは、学者を辞め家庭を顧みず、小説の執筆にのめり込んでいくジョンとの生活に不安を感じ始めます。一方で、忙しいジョーゼットに代わり、ジョンとジョーゼットの2人の子どもの世話をするようになっていったことから、マギーはジョーゼットと親しくなり始めていました。マギーから見て、ジョーゼットはとても魅力的な女性だったのです。そして、まだジョンを愛していることを知ったマギーは、「ジョンをジョーゼットに返すプラン」を思いつきます。
「自分の夫を、元妻に返す」なんて、元妻からすれば、「は?」と理解に苦しむ行動ですよね。ジョーゼットも、マギーからこのプランを提案された時は、そもそも事の発端はあなたたちの不倫だったのに、と怒りを爆発させます。しかしこのタイミングで、ジョンを招待したい学会がカナダで開催されることになりました。ジョーゼットは「もう今更失うものは何も無いから」とマギーのプランに乗り、現地でヨリを戻す計画を立てます。そしてジョーゼットの思惑どおり、ジョンはその学会に参加することに。そしてマギーも、娘のリリーと二人で新しい幸せを見つけます。
今回マギーがとった行動は、夫、その元妻、娘と、自分の周りの人たちと“自分”が幸せになるためのものでした。常識や世間体にとらわれるのではなく、“自分”にとっての幸せのかたちを追い求めてるのもいいかもしれませんよ。