みなさん、お元気でしょうか?
久しぶりに娘のNikiとの往復書簡をしてみました!
前回に娘と書いたのが、パンデミックがちょうど始まる頃のタイミングで、月日の変化と時代の変化を感じました。
様々なことがこの数年で大きく変わりましたが、その中にも普遍的で変わらないこともあるということも、今回の往復書簡を通じて自分が感じたことでした。
僕と娘は映画について話すことがとても好きで、それぞれの感じたポイントについてよく話しています。
今回観た『リトルダンサー』は、Nikiが小さい時に一度観た映画なのですが、その時にイギリスの音楽がとても好きになり、それからイギリスの文化にも興味をもって一度行ってみたいといつも言っています。
幼い頃観た時にはわからなかった、映画のキャラクターの心情や時代背景なども今は理解しているようで、以前よりも深く感動しているようでした。
なかでも、自分が興味深かったのは、カメラアングルにも心情を感じるようで、家族のカメラマンの写し方で、クリスマスのシーンで家族全員がいてお兄さんだけが鏡に映っている場面があるのですが、そのアングルがとても良かったと言ってました。僕は全く覚えていないシーンだったのですが、見返すとすごくその描き方がエモーショナルで、視点が面白いなと感心しました。
常日頃から自分も娘のその視点からインスパイアされることが多いことに気づかされます。
一度観たみなさんも是非見返してみてくださいね。
あと最近娘と僕の共通の好きなことは絵を描くことなんですが、最近描いた二人の絵も載せてみます。
また映画について一緒に書きたいねと話していたので、娘の成長とともにこれからもぜひ続けてやってみたいなと思います!
熊谷和徳
にきちゃんへ
にきちゃん『Billy Eliot』好きだった?
たくさん好きな場面があるけどビリーがもうだめかと思った
面接(interview)の最後に「踊っているときはどういう気持ち?」
と聞かれて、最初は「わからない」と答えたけど
「消えていくみたい(sort of disappear)からだ全体が変わるのを
感じる」と言ったところが好きだった。すごく正直な気持ちが
伝わったんだね。夢中になっているときの何もかも忘れてしまう
感じをよく言い表していたと思う。
お父さんが家でついタップを踊ってしまうと、にきちゃんが
2歳くらいの時に「シー!静かに!」と言ってたのなぜか思い出した(笑)
今回この映画を選ぶときにすこし悲しいシーンもあるから
どうかな?と思ったけど にきちゃんが「悲しくてもエモーショナルな
映画は何を感じない映画よりも好き」と言ってたのが
うれしかったよ。
まさにこの映画の好きなところは、それぞれのキャラクターが
本当にいろんな感情を与えてくれることなんだ。
ひとりひとりの感情の絶妙な変化が映画をとおして
すばらしく伝わってきて、人の感情は一面性だけでなくて
たくさんのColor(色)がまざり合うみたいに色んなグラデーションを
みせてくれるのがとてもとても好きだよ!例えばお父さんはとてもきびしくて、がんこな印象があったけ
ビリーが踊りを見せた後は、一番におうえんして一番に合格したとき
喜んで走ったよね!(いじめっ子みたいなお兄さんもね!)
そして、ビリーのために嫌なことさえも、がまんして、サポートをしたよね。
お父さん(僕)がこの映画をはじめてみたのが、まだ20歳はじめのころで
NYに行ったばかりの時だったから、お父さんがタップダンサーになることを
当時にきちゃんのおじいちゃんおばあちゃんもたくさん応援してくれたことを、
思い出していたよ。やっぱり最初は、反対もしていたけど、最後には
一番(今でも)応援してくれているからね。
そして今は僕もお父さんの立場になって今度は映画のなかの
お父さんの気持ちになってにきちゃんのことを想っていたよ!
ビリーがみんなにとって希望の光のような存在なのと同じで
お父さんはもちろんお母さんもおじいちゃんもおばあちゃんも
みんなみんなにきちゃんの夢や成長を自分のことかそれ以上のように
一緒によろこんだり悲しんだりしてるんだ。家族は不思議だね!
映画では、ビリーが最後に踊る姿に、ビリーがきっと、
たくさんの想いを胸にみんなのためにがんばってきたのが
伝わってくるようだったね。家族もビリーのためにがんばったね!
おばあちゃんがビリーが家をでるときにHugしたあと、
突きとばすシーンがいつみても大好きなんだ(笑)今あらためてこの映画を見て思うことは、
ビリーが最後に成功してハッピーだったけど、
もしも結果よくなかったとしてもそれでもよかったと思うよ。
大事なことは、自分を信じて、行動したこと。
それが周りの人の心も変えていったことだと思う。
だから結果はどうあれ、すてきなことだよね!
お父さんは、ずっとビリーくらいの年からタップを踊ってきたけど
いつも大切に想ってることは、踊ることの「理由」(intention)
なんだよね。
ひとつひとつのステージで何のために踊るのか?
ただ踊るだけではなくて、それを一番大事に考えているよ。
お父さんがここまで踊ることができているのは、家族はもちろん
教えてくれた先生たちやPioneer達そして、サポートしてくれる人達
(もちろんにきちゃんも!)がいることにとても感謝しているよ!
そしてまだまだ踊りたい理由がたくさんあるから踊っていくよ。
にきちゃんも自分だけの夢を大切に、好きなことを大切に、
いつでも楽しい時間をすごしてほしいな。
そして覚えていてほしいのは大事なのは「結果」がよいかわるいか
ではなくて夢中になってるその瞬間、プロセスだということ。
I believe in you!それでは、にきちゃんの好きだったシーンについても
おしえてね!!So happy I can share this with you
Hope you enjoy it
Love you Always!
お父さん KAZ よりps. にきちゃん一番最初にみたときは
音楽が好きだったよねー
この時代のBritish Rockが好きなんだね!
おとうさんへ
初めてビリーエリオットを見たのはもう4年前だと思う。
音楽がすごく好きでよく聞いてたのを覚えてる。
ハローキティのピンクなへッドフォンをして、電車からの
景色を見ながら T.Rex の『Cosmic Dancer』聞くの
が大好きだった!
“I was dancing when I was eight, is it strange to
dance so late?” “と
”I was dancing when I was twelve, it is strange
to dance so soon?”
っていう歌詞があるんだけど、初めて聞いた時
は8歳で今はもう12歳なんて信じられないなー。おとうさんが感情のことを色のグラデーションに例えたのが
すごく好きだったんだ。ビリーエリオットが家族と喧嘩を
した後、怒りとストレスをタップで出してたシーンが好きなんだけど、
おとうさんもタップでいろんな気持ちを出してるのかなぁ、と
思ったよ!おとうさんは、自分がまだタップを始めた頃のことを
思い出すのが面白いと思ったんだ。同じ映画でもその人
の思い出と経験で見え方が違くていいね。この映画は、人がどう成長するかを見れるから好きなんだ。
ビリーエリオットとマイケルはまだ子どもだから自分の
“アイデンティティとかパッション”を探しているのが見えるね。
だけど、大人達も同じように新しい目線やシンパシーが
広がってきてるのがわかるね!みんな辛いことや幸せなことを
他の人と一緒に乗り越えて絆が強くなるんだね。
だから家族にも、子ども、ティーンエイジャー、大人、と老人が
いるのかな?やっぱり、一番自分にとって大切なシーンは、ビリーの
おとうさんが息子のためにプロテストを諦めた時かなぁ〜。
誰かのことを本当に大切に思うことは、プライドとか
怒りよりもっと強い気持ちなんだね。お兄ちゃんが泣きながら
おとうさんを追いかけた時、最後に“He’s just a little kid”
とハグしながら「お家帰ろう」と言うのがすごい好きなんだ。ビリーエリオットはたまたまバレーを踊り始めて、そこから自分
の夢を膨らんでったね。私もやりたい事がいっぱいあるんだ。
自分の毎日の幸せから、やりたい物がどんどん広がってくるんだ。
通りかかるリストか鳥を見ると、動物の仕事もいいなぁっと
思うし、素敵な歌とか絵を見ると自分もそんな素敵な物を
つくりたくなる。そうやって自分の夢も広がっていくのかなぁと思ったよ。ビリーエリオットはやっぱりとても懐かしい気持ちになるとても
大切な映画だなと思ったよ!また見れて嬉しかった!にきより