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2023年11月24日、河野さんが主演・プロデュースを務める新作映画『水いらずの星』が公開されます。越川道夫監督、松田正隆原作、梅田誠弘W主演の本作。その撮影から公開に至るまでの、約1年間の映画作りと闘病について、河野さんが日記を綴ります。
7月1日
プチョン国際ファンタスティック映画祭に来ている。
この1ヶ月全力を注いでいた、ピッチングが終了。
大勢の関係者の前で、一人で登壇した。
しかも、日本チームのトリとして。
高橋洋監督曰く、「はじめはどうなることやらと緊張したけど、始まったとたん、河野さんの堂々たる姿に、一瞬で気が抜けましたよ」とのこと。
他のチームのピッチングの後だったので、拝聴している間に、最終的に印象を残す方法をオーディション前のように脳を燃やして考えた。
白石晃士監督や他のチームのみなさん、見ていた各国の関係者が映画のワンシーンみたいで引きこまれたよ!と言ってくださったので、結果はどうであれ、自分の中でやり切れた気がする。
その後は各テーブルにて、クライアントとの直接ミーティング。ハード過ぎて、いつもは食べない甘いもので脳のドライブを入れまくった。
オフィス・シロウズの松田広子さんと、プロデューサーとは何かというお話をさせていただく機会もあった。河野が「私はプロデューサーになりたいというより、今までにないあんな作品があったらいいな、この人とこういう作品が作れたらなって思ってやってきたら、いつの間にかプロデューサーと呼ばれてる仕事をしていました」とお伝えしたら、「それなら貴女は大丈夫ね。大事なことがちゃんとわかってる」と真っ直ぐ眼を見ておっしゃってくださった。許された気がした。
渡邉一丘Pや松林うららちゃんとも、これからのインディペンデント映画について我々がどうすべきか。どうあるべきか。我々が作り続けること、世界に向かって挑み続けることで、次の世代が進む間口が開けるのかもしれないねと。でも、本当にプロデューサーって大変だよねぇ……と。
プロデューサーの知り合いが今までいなかったから、P同士で意見の交換ができたのはすごく貴重だった。わかってくれる人というか、そういう人たちが私には必要だと思った。もちろん、いい意味でライバルだし切磋琢磨できたらいい。
夜は高橋監督、白石監督が脚本で参加されており、日本でも10月6日から公開される韓国映画『オクス駅お化け』のプロデューサーのウギョンさんに高橋監督が引き合わせてくださり、楽しい時間と共に、映画はそんな簡単に出来上がらないって改めて知ることとなる。タフじゃないと。本当に。そうそう、映画『鈴木さん』の監督、佐々木想監督も一緒に。
疲れ過ぎてたのか、部屋に帰った記憶もないほどバタンキューしていた。
明日から一人だな。
でも大丈夫。きっと私ならできる。
7月2日
私は元気でやってるよ。
一人でちゃんと闘えてるよ。
早朝、高橋監督が帰国。
逆境を味方に私は自分に自信が持てた。
昨日、ミーティングをやり続けたおかげで、英会話力も戻ってきて、ジョークも交えつつ言いたいポイントをスムーズに言えるようになった。
いろんな人と出会いたい。
世界はまだまだ広いけど、きっと繋がる縁はある。
笑顔で、そして少しのミスなんか気にしないで堂々と。楽しかった。逆境こそ私のタフさが活きるとき。
他のチームは人数も、通訳の方もいて、うらやましいなあって思ったりしたけど、私は私のスタイルでいい。
一人旅をしていた頃を思い出したりして、怖いもの知らずでワクワクしながら街を歩いては、出会った人と言葉を交わす。
頑張るというより、楽しむ。
明日で企画マーケットは終わるけど、私はこの経験をさせてもらったこと、背中を押してもらったことを感謝する。
これから、手塚眞監督にお食事に誘っていただいたので、白石監督と佐々木監督と行ってきます。皆様、今宵も素敵な夜を。
7月3日
残念ながら受賞はならず。
でも、せいせいとしてる!
企画はこれで終わりではないし、いくつか興味を持ってくれたプロダクションがあったから、ここから死ぬ気で面白い脚本を高橋監督に書いてもらって、来年帰ってきてやる!と思った河野プロデューサーでした。
本当にいい経験をさせていただいたし、日本にいたら出会えなかった映画関係者の方々とゆっくりじっくりお話しする時間をいただけて学ぶことがたくさんあった。
もっと面白くて新しくて最高な映画を作りたい。そして、そこに関わるみんなが世界に羽ばたけるような作品を作り出したい。
小川真司Pチーム、受賞おめでとうございます!!
中川奈月監督、日本人監督としてより活躍してください。
今宵は疲れましたが、帰ったらまた私は前に進みます。
7月4日
オフィス・シロウズの皆様と熊切和嘉監督、ブリッジヘッドの小川さんと中川監督、白石監督や讀賣新聞さん、ニッポン・コネクションのアレックス・ツァールテンさん。渡邉P。
プチョンの繁華街、路上に散りばめられた赤や緑色のテーブルを囲い、朝までみんなで語らう。
眠い。
年齢も経歴も関係ない。
恐縮ながら、「同志」として世界視野を入れた日本映画を展開する間口を広げるために。日本に留まっていては、未来には限界がある。
いかに、私たちが開拓できるかが勝負。
そのためにも、各チームがライバルではなく結託して情報を交換しながらいろんな国と提携して映画製作に取り組んでいかなければならないね、と。
日本だけで今後は製作するつもりは毛頭ない。
英語ができるとかできないとか、もはやそんなことは言ってられないけど、自分ができるのならより強いじゃないか。
今日本映画は、製作した後に映画祭にエントリーして選出されたとか、入賞したとかの結果に目が行きがちだけど、そもそも根本から世界規模で考えていく。
松田さんや小川さんの世代の方たちからご教示を授かりながら、我々の世代も勢いを増していく必要性がかなりあるな。
今回、どれだけの人脈を得たのだろう。計り知れない。これは、企画マーケットだからこそだと感じた。
そして、若い監督だけじゃなく、若いプロデューサーたちを育てる必要も感じたし、VIPO(映像産業振興機構)さん側は今回そこに焦点を当てたとおっしゃっていた。プロデューサーの力量と仕事は、自身の作品が世に出る監督より、よりわかりにくい。だからこそ、可愛がってもらい押し上げていただく必要性があるね、と。
ちなみにプレゼン賞があったら、私のチームが一番だったと言っていただいた。
為せば成る。
未来に進む。
7月5日
帰国後、映画祭で出会った方々すべてにお礼のメールを送る。
小川さんからすぐにお返事をいただく。
ここでも、仕事ができるプロデューサーさんは返事が早いと実感。
早いばかりが能ではないけど、なるほどなぁと思う。
敏速な対応ができる人は、寝る間も惜しんで、その先の先を見据えて動いてる。
これは何もプロデューサーに限ったことじゃなくて俳優であろうと同じことが言える気がする。学ぶことばかり。
基本的に私は面倒くさがりなので、勢いで気合入れて仕事をしていかないと、きっとぐずぐずになるのがわかっているので、鉄は熱いうちに打てとばかりに自分を鼓舞。
そういえば、本日『水いらずの星』のB2ポスターが到着。
デザイナーの藤井さん、写真家の上澤さん、編集・ライターのミリさんの子どもが一人生まれました。
心から感謝。このポスターが全国の映画館に貼り巡らされる日を楽しみに、そっとダンボールにしまいました。
7月6日
今日は1st Generationにて、ミリさんの『水いらずの星』に関するインタビュー記事が公開となった。
一番近くで戦ってくれている人の言葉は、いつも感動と共に私の心を引き締めてくれる。そしてその声を、思いを、きちんと敬う形で届けたいとさらに思わせてくれる。
自分に自信のない私でも、ちゃんと頑張っていれば、見てくれて応援してくれる人がいるんだと教えてくれる。
『水いらずの星』のパブリシストとして、私が大好きな方が参戦してくださる予定だと伺い、よりやる気が増した。こんな偶然もあるのだなぁ。引きの強さはまだ健在!と実感。このチームさらにパワーアップするなと、ワクワクした。
7月7日
今日、『水いらずの星』のパブリシストさんが大決定しました。
私と公開まで駆け抜けてくださる心強い味方が。「河野さんのこと応援したいから」とおっしゃってくださったとか。頑張っていれば、また巡り会えるものなのね。
今日も頑張ろ。
7月8日
今日も怒涛の日だった。
朝から『水いらずの星』のホームページの暫定版作成で、担当の歌頭さんと何度もやりとり。
真摯に対応してくださり、仕事がとても早い方。
頼りになるなぁと感心。
その間に、『水いらずの星』の映画祭用エントリーデータのスケジュールを、編集の菊井貴繁さんと再度確認し、カレンダーを作成。ポスプロチームに最終確認として送付。
深夜1時に菊井さんから、最新版のエンドクレジットデータが届いた。
越川道夫監督が、フィルム的な加工を加えて冒頭の表現に戻る流れにしたいのと、どこか海に戻るようなニュアンスもほしいとおっしゃっていたらしく、本当に深夜まで作業してくださり感謝。
整音の川口陽一くんも音楽の宇波拓さんも、河野プロデュース作品を2つ抱えている中、延々と作業に追われているに違いない。
「休んでもいいよ?」と本当は言いたいけど、ここは頑張ってもらう以外に方法はなく、そういうことをちゃんとわかって、知ってあげられるプロデューサー・俳優でいたい。
座組みが変われば、そのやり方も変わるし、常に私はビギナーだ。
それでも私なりの作品に対する接し方というか、ポリシーみたいなものはある。それは作品が変わっても揺らぐことがない。
「言うだけなら簡単だ」と誰かが言ってた。
本当にそう思う。想いだけでは動かせないことに挑んでいるのだ。
ときには黙って見守るしかない瞬間がある。
ごめん。でもどうか最後まで諦めず、身体を壊さずにやり遂げてください。
7月9日
プチョンの企画マーケットの報告書を作成。
自分としては、プロデューサーを今後続けていくのか迷うところはあるんだけど、その思いとは裏腹に、プロデューサーとしていろんなことに関わる機会をいただいて、こんな私に何ができるんだろうと思ったり。
それでも私らしいなぁと思うのは、VIPO Film Labの「国際プロデューサーコース」という全10回の講義を受けてみようと応募してみた。常に、わからないから挑むというスタイル。“選ばれるか”はまた別なのでとりあえず……。
勉強することは嫌いじゃない。やってみてダメならそれも仕方ない。
今後の活動の礎になればいいなぁ。まぁ、受かるかはわからないけど。
東京国際映画祭の締め切りが近づく中で、『水いらずの星』チームも最大限、完パケに近いデータでエントリーするべく頑張ってくれている。たぶんみんな、ほとんど寝てないで作業してる。
夜は、配給会社・フルモテルモの財前さんと、『水いらずの星』の配給アタックリストの共有会議。
この作品においては私の中で、配給館をどれだけ増やせるかに焦点を当てたいと考えていて、もちろん本館上映を成功させることが先決なのだが、それ以上により多くの地域の映画好きのみなさんに届けられるように頑張りたいとも思ってる。
あれやこれやとやっていたらすでに10日の朝5時。ちょっと仮眠したらまたいろいろ考えます。
とりあえずおやすみなさい。
7月13日
一段階終わった。『水いらずの星』の東京国際映画祭、釜山国際映画祭のエントリー終了。
明日、金馬奨のエントリーをしようと思う。
編集の菊井さん、カラリストの織山臨太郎さん、整音の川口くん、音楽の宇波さん。
もちろん越川監督もチェックしてくださり。
取り急ぎの形ではあるが、エントリーに十分なデータを仕上げてくださった。
そして、財前さんのVIMEOアップロード、夜も更けた頃の連携プレイにてコンプリート。
みんなで頑張っている。だから私は頑張る。
昨晩は、俳優の桜まゆみちゃん、高尾美有ちゃん、関幸治氏、おなじみ廣田(朋菜)と、キム兄(木村知貴)で久しぶりに飲んだ。
まゆみちゃんとはずーっと前にお会いしたことがあったのだけど、先日ばったり再会したのと、直後のドラマ撮影で同じ回に出たりしてご縁がつながる。
タイミングっていうのを基本大事にしている。
生きてる中で、2回も偶然が起きるというのは、何かあるに決まってる。と思い込むようにしている。
時の流れが「そこに行きなさい。この人とちゃんと話しなさい」と言っている気がしている。
その場にいた仲間のうち、3人が今年か来年に主演作の公開が控えていて、長年頑張ってきた我ら、まだまだだけどなんかめでたいねって。
「周りの人を見なさい。それが今、自分がいる場所だ」というような格言を読んだことがあるけど、そういうことなのかもね。
まさに「時の流れに身をまかせ」。
そういえば、日仏合作のオーディションのとき、この歌のサビを歌って受かったな。
7月16日
本日は映画『夜は千の眼を持つ』のクラファン目標額達成祝賀会でした。
高橋さんを愛するみなさまと乾杯し、楽しい時間を過ごした。
お顔を拝見しながら話せる機会をもっとこれからも増やしていきたいな。
その帰り、高橋監督から新たなる展開の可能性があることを伺う。
これはまだ詳細をお伝えできないけれど、プチョンでの私の動きをきっかけに、興味を持っていただいて、というお話。
すごいなぁ。動くたびに挑戦するたびに、可能性が広がって。
この映画はきっと、モンスター映画になるんじゃないか。
目論見がもし叶ったら、私みたいなPでもできるとわかったら、きっとこれから映画製作をするみなさんに更なる希望を与えることができるんじゃないか。
好きなことをしているからこそ、誰かの希望になれたら嬉しい。
常にビギナー。常に挑戦者。
7月17日
今日は映画館DAYにした。
『怪物』『君たちはどう生きるか』『Pearl パール』『CLOSE/クロース』とはしご。
忙しくてなかなか映画館に行けない日々が続いたので、といってもちょこちょこ観に行っているけど、それでもやっと……という感じ。
私は配信で映画を観ることがあまりできない。
集中ができないたち(というのも、観ている間に届くメールとかが気になっちゃって)。
だから映画館で映画を観るのが好き。
「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023」にも昨日行って、『シックス・ウィークス』を拝見。
世界はまだまだ遠い。クオリティーと脚本力を上げなければならないと改めて思って。
そういう実感を求めに、また映画館に行くのかもしれない。
そして、改めて映画が好きなんだと実感するために行くのかもしれない。
映画の無限性について考えながら歩く帰り道。
7月19日
VIPO Film Labの「国際プロデューサーコース」の書類選考を通過し、面談のお知らせが来た!
嬉しい。必要に迫られている私は、出来る限り参加したい。
「はったりも真にすれば、いずれ実になる」というポリシーがある。
現時点で、経験が、知識がなかったとしても、飛び込んでみて、課題を与えられたら、必死に練習して誠にしてしまえばいい。
よく考えれば、昔からそうだった。
俳優を始めた頃も、監督ワークショップにお金を払って行く選択より、オーディションを受けまくって現場に出ることを選んでいた。
ときに自分の実力不足を実感することもあるけど、俳優として作品を重ねる方が結局早い気がするし、何より作品の中で生きられる悦びがずっと大きい。
人生論みたいになっちゃうけど、「タイミングが来たときに」と待っていると、タイミングを逃してしまう場合があるかもしれない。それなら私はずっと戦場に居続けることを選ぶ。それなら逃すことがない。もうそこに居るのだから。
それが私のスタイル。
と言っても、あくまで自論なので、そこの貴方は、貴方なりのスタイルで。
7月20日
デザイナーの藤井さんから、
『水いらずの星』の前売券と特典ポストカードのデザインが上がってきた。
忙しい中、こだわり抜いて作ってくださったんだろうなぁ。ありがたい。
独立されて、新しい一歩を踏み出されたわけで、この映画のデザインが世に出たとき、少しでも藤井さんのこれからにつながればいいな。
7月21日
溜まりに溜まった経費の清算をやり、お昼過ぎ。
今日は、VIPO Film Labの「国際プロデューサーコース」の面談だった。面接官の方曰く、応募者はかなり多かったらしい。
冒頭で応募動機を聞かれ、そのあと突然。。
「本コースは、半分以上が通訳なしの英語の講義となるため、英語力を確認させていただきます」
!!!
なんとなんとなんとまあ。
河野、いきなりど緊張。
「英語で経歴などをお話しください」と言われ。もはやよくわからないけど、とりあえず、経歴かどうかは置いておいて、なんとか喋った……。
結果はわからない。
でも、やっぱりいつの日も挑戦し続けることが 私はこの上なく好きなんだな。
それから、「河野さんは俳優もやられていますが、今後はプロデューサーとして活動されていくんですね?」と問われた。
「いいえ。プロデューサーとしての活動こそが、俳優としての私の価値を引き上げてくれるのであり、逆もまた然りなので、どちらかを選ぶつもりはありません」とお答えした。
落ちたかもしれん。
でも、嘘はつけないタチなので、それでダメならそういうことさ。
7月25日
渋谷のラジオの番組「渋谷のシネマ 夏休みスペシャル」にて初めてMCを務める。
始まる前、約40分くらいの枠をしゃべり続けていいなんて、なんて贅沢!と思いながら、一方でネタがなくなったらどうしようとも思ったり。
結果は、不安はどこぞへ……というくらい、時間が足りなさ過ぎて、各自の映画の話で大盛り上がり!でした。
もちろん反省点も多々あるけど、改めてこういうお仕事ももっとしたいなぁーと思った。
話すの楽しい。情報をただ伝えるだけじゃなくて、番組前に紹介する作品の予習をしたり、もう一つ先の「ならでは」なエピソードを探したり。こういうお仕事に挑むことは、知識も否応なしに増えるわけで、とても自分のためになるなと思った次第。
お話しするお仕事、どなたかくださーい!!
お聴きになりたい方は以下アーカイブにてどうぞ。
https://note.com/shiburadi/n/ne526cc2749c0
7月26日
受かった! 受かりました(泣)。
VIPO Film Labの「国際プロデューサーコース」に選出されました。嬉しい。
実績があること、英語力があること、可能性があることが条件と、かなりハードルが高いのに加えて、応募が例年よりものすごく多かったとのこと。
また未来が明るくなった。
挑戦するのは怖いけど、でも私頑張る。インディペンデント映画に、何か風穴を空けるためのチャンスをいただいた。
きっと何かできることがある。
私が伝えられること、きっとある。
7月28日
本日はパブリシストの古賀さん、配給の財前さんたちと事務所で対面ミーティング。
『水いらずの星』はまだ作業が続いているため、特報と予告が出来上がっていない。少し不安だ。間に合うかな。
ミリさんとも、「長い時間があると思っていたらどんどん日々が過ぎて焦る!」なんて言いながら、駆け足でパンフレット作成に向けてスケジュール確認をした。
しっかりしっかり、ラフを作ってくださっており、さすがのミリさん。仕事が細かい! そして、上澤さんが大切に撮り続けてくれた写真たちが、上澤さんの作品集にやっとなるのだなと思うと、ホロリとした。
昨晩、上澤さんの誕生日会をした。
たくさんの想いを手紙に書いた。
私の大切な人。
どうかいつも笑っていてほしい。
7月29日
区の特別検診を受けた後、家に帰ったらやけに節々が痛くて、目が充血するなぁと思ったら、グングングングン熱が上昇し、39.0℃まで行った。
なんだこれ。
奇跡的に今日は土曜日で、検診の後になんの用事も入れてなかったので、冬の布団をかぶって、とにかく頑張って寝た。
愛猫ルナがずっと私の上にいてくれた。
猫ってすごいなぁ。私が具合悪いのちゃんとわかってる。
一応、抗原検査を二回しましたが、コロナではないみたい。
とりあえず寝ます。今37.2℃まで下がった。ロキソニン飲んだけど、汗をたっぷりかいて寝たおかげだと信じたい。
おやすみなさい。
7月30日
熱が36.5℃まで下がり、自分の生命力の強さに驚愕。
一方で、日々かなりの量の髪の毛が抜けてしまって、戸惑いと自信のなさを増幅させる。
「人は見た目じゃない」、そう言いたいけど、「命があればいい」なんて容易くは言えない。
連絡しなければとか、手配しなければとか、頭の中に眠りつつあったことを片付けた。
そうこうしていたらまた頭がボーっとしてきたので、測ってみると37.5℃……。
さすがに飛ばし過ぎたかと思いつつ、ベッドの中へ。
最近になってやけに、あまり連絡をとっていなかった懐かしい友人から突然連絡がくる。これはスピリチュアル的には運が上がっている前兆なんだって。
しかも、突然の高熱が出るのも、自分自身が生まれ変わったり、浄化されたりするタイミングの印だとか。
不思議なことがいろいろ起きている。
そのすべてに意味があるんだと思う。
無駄なことなんてない。きっと乗り越えられる。
7月31日
「海が恋しい」と書いてから1ヶ月以上経ったが、海は見れていない。
でも、私はもう大丈夫な気がする。
8月頭からまた怒涛の日々が待っている。
「国際プロデューサーコース」の講義、世田谷区地域連携型ハンズオン支援事業「SETACOLOR」の個人面談、『水いらずの星』宣伝戦略会議大詰め、写真撮影、そしてYouTubeチャンネルにはあの白石晃士監督がやってくる。
そして何より、『水いらずの星』のパンフ作成ラッシュ!
さぁ、みんな頼みますよ!
各部署、腕の見せどころです。
河野は体調いまいちではありますが、ちゃんと仕事します。
もうね、すべてのマイナス心は7月に置いていきます。
私はもう前しか向きません!!
あ、ちなみに28日に朝日新聞に載りました。
少し誇らしいです。
- 2023年10月 釜山参戦! そして『水いらずの星』チラシを配る日々
- 2023年9月 『水いらずの星』公開まで3か月を切る。
- 2023年8月 祝『水いらずの星』試写開始! パンフ取材も。
- 2023年7月 プチョン参戦!『水いらずの星』制作もいよいよ大詰め。
- 2023年6月 プチョン目前。『水いらずの星』宣伝を考える。
- 2023年5月 『水いらずの星』ピクチャーロック完了。
- 2023年4月 葉桜の頃、退院。越川道夫監督との電話。
- 2023年3月 乳がん手術。『水いらずの星』TIFF上映を目指して。
- 2023年2月 手術日が決定。『水いらずの星』目下制作中。
- 2023年1月 仕事が山積みの新年。および新作撮影。
- 2022年12月 映画について考えた年末。
- 2022年10〜11月 病気宣告、そして『水いらずの星』撮影。