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映画を観た日のアレコレ No.92

group_inou
imaiの映画日記
2024年4月29日

映画を観た日のアレコレ
なかなか思うように外に出かけられなかった時を経て、今どんな風に1日を過ごしていますか? 映画を観ていますか?
何を食べ、何を思い、どんな映画を観たのか。 誰かの“映画を観た一日”を覗いてみたら、どんな風景が見えるでしょう? 日常の中に溶け込む、映画のある風景を映し出す連載「映画を観た日のアレコレ」。
92回目は、ミュージシャン group_inou imaiさんの映画日記です。
日記の持ち主
ミュージシャン
imai(group_inou)
Imai
group_inouのTRACK担当。2017年より本格的にソロ活動を開始。クラブからライブハウスまで、これまで以上に活動の幅を広げる。フジロック、BAYCAMP、森、道、市場、ボロフェスタ、全感覚祭等の大型イベントにも出演。橋本麦が手掛けた「Fly feat.79,中村佳穂」のMVはVimeoのStaff Picksに選出、新千歳空港国際アニメーション映画祭の観客賞、香港のifva awardsで特別賞を受賞するなど、世界各地で話題となっている。2022年4月にコラボアルバム「MONSTERS」 をリリース。
​長編映画の音楽を手掛けるのは今回が初。

2024年4月29日

昨日まで福岡にいた。
その数日前は京都でライブをしていた。
立て続けの長距離移動でしばらくは一歩も動きたくなかった。

そんな状況でも観に行きたい映画があって、新宿へ向かった。

その映画とは『リンダはチキンがたべたい!』だ。

全く映画の詳細を知らなかったが、SNSで流れてくる情報や、知り合いのストーリーズの感想で気になっており、遠征から帰ってきたら絶対に観に行こうと決めていた。
何か直感が働いたのだ。

『リンダはチキンがたべたい!』はアヌシー国際アニメーション映画祭(※)でグランプリを受賞していた。
アヌシーといえば数年前に「AC部」がノミネートされており、「そこでグランプリを獲る作品なんてどんだけ凄いんだよ! 一丁観てやろう」という謎に挑戦的な気持ちもあった。

映画が始まって数分で僕はグランプリのクオリティというものを目の当たりにした。
瑞々しい色彩感覚、見た事のない映像表現、素晴らしいストーリー。

僕は偶然、”身近な人の死をどう受け入れるか”というテーマの作品を立て続けに観ていた。
どの作品も素晴らしかったが、僕はリンダの中で描かれる温度感に気持ちを持っていかれてしまった。

あまりにも素晴らしかったので、パンフレットを購入して、電車の中でパラパラと捲っていた。
すると、”土居伸彰”という見覚えのある名前が書いてあった。
土居さんは以前、新千歳空港国際アニメーション映画祭でディレクターを務められており、group_inouやソロで大変お世話になった方である。
『リンダはチキンがたべたい!』では配給に関わっていて、コラムを書いていたのだ。
そんな縁が嬉しくなって、何年も連絡を取っていなかった土居さんに暑苦しい感想メールを送ってしまった。
数分して「『リンダはチキンがたべたい!』がimaiさんに届いて嬉しい」という旨の返信があった。

僕は余韻が冷めないままにいきつけの飲み屋に向かった。
そこには約束をしていないのに、次々と知り合いが集まってきて、まるで映画の中で描かれていたような瑞々しい色彩の人々で賑わっていた。

※フランス・アヌシーで行われる、世界で最も長い歴史をもつアニメーションの国際映画祭。2017年には、片渕須直監督の『この世界の片隅に』が審査員賞を受賞している。

imaiの映画日記
BACK NUMBER
FEATURED FILM
監督・脚本:二ノ宮隆太郎
音楽:imai
出演:坂東龍汰/髙橋里恩/清水尚弥
木越明/冴木柚葉/大友律/坂口征夫/宮下今日子
純乃あみ/土屋陽翔/新名基浩/小林リュージュ/須森隆文
島津志織/大河内健太郎/五頭岳夫/矢野陽子/矢島康美
鶴田翔/秋田ようこ
木野花/豊原功補/岩松了
2024年 / 日本 / DCP / カラー / スタンダード(1.33:1) / 5.1ch / 103 分

公式サイト:https://www.wakamusha.com/
X:@moviewakamusha
Instagram:@moviewakamusha
Copyright 2023 “ 若武者” New Counter Films LLC. ALL RIGHTS RESERV
工場に勤める寡黙な渉(坂東龍汰)、
血の気の多い飲食店員の英治(髙橋里恩)、
一見温厚そうに見える介護士の光則(清水尚弥)は、
互いに幼馴染の若者である。

ある晩秋の昼下がり、暇を持て余した彼らは
“世直し”と称して街の人間たちの
些細な違反や差別に対し、無軌道に牙を剥いていく。

その“世直し”は、徐々に
“暴力”へと変化してしまうのだった─。
PROFILE
ミュージシャン
imai(group_inou)
Imai
group_inouのTRACK担当。2017年より本格的にソロ活動を開始。クラブからライブハウスまで、これまで以上に活動の幅を広げる。フジロック、BAYCAMP、森、道、市場、ボロフェスタ、全感覚祭等の大型イベントにも出演。橋本麦が手掛けた「Fly feat.79,中村佳穂」のMVはVimeoのStaff Picksに選出、新千歳空港国際アニメーション映画祭の観客賞、香港のifva awardsで特別賞を受賞するなど、世界各地で話題となっている。2022年4月にコラボアルバム「MONSTERS」 をリリース。
​長編映画の音楽を手掛けるのは今回が初。
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