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お酒とおつまみの『相性』とは?
近ごろお店に来てくれるお客さんから、
「このお酒に合うおつまみを…」
「この料理にはどのお酒が…」
など、お酒と料理の相性を尋ねられることが、少しずつ増えてきました。
ド定番の組み合わせとしては、
・ハイボールと唐揚げ
・芋焼酎とさつま揚げ
・日本酒とイカの塩辛
・ワインとチーズ
などありますが、
最近では「ペアリング」といって、お酒と料理を、よりピンポイントで合わせていく組み合わせがいろいろ出てきていて、おもしろくなってきています。
そもそも、お酒と料理が合う/合わないってどういうことなのかなと思いますよね?
昔から言われている古典的な組み合わせから、最新の化学的な理論を用いたものまで、さまざまなペアリングが書籍やネットで紹介されていて、本当に奥が深いと思います。
僕からは今回2つだけ簡単に紹介させてください。
そこに醤油の甘さが加わって、旨味がふくらんできたところで、キリッと辛口の芋焼酎お湯割りが、お魚独特の磯の風味を、スッキリ洗い流してくれます。
お酒と料理を組み合わせることで、それぞれ味わうよりも、さらにおいしく感じられて、本当にしあわせですよね。
人間同士も、本当に同じだなと思っていて、友人でも、恋人でも、家族でも、相性ってさまざまで、見ているととてもおもしろいです。
別世界で育ち、性格も真反対の対照的な二人が出会い、時間を過ごす中でお互いの共通点を見出して、惹かれあっていく。
最初は、周りだけじゃなく、自分たち自身も「合わない」と感じていたのに、いつの間にか、かけがえのない存在に変わっていく。
ジュリア・ロバーツとリチャード・ギアが共演した映画『プリティ・ウーマン』(1990)では、ハリウッドの繁華街で客を探す娼婦ヴィヴィアンに、車で道に迷った実業家エドワードが、道を聞くところから話が動き出します。
エドワードが運転に手こずっていたマニュアルシフトの高級車ロータスを、運転交代したとたんに乗りこなすヴィヴィアン。
泊まっている一流ホテルに到着すると、ヴィヴィアンを部屋に誘って、ルームサービスで、シャンパーニュとイチゴを注文します。
テレビを観ながら、寝っ転がって、イチゴとシャンパーニュを楽しむヴィヴィアン。すごく美味しそうに見えるのですが、実はこのイチゴ、日本のイチゴとはぜんぜん違うんです。
アメリカのイチゴは、あまり甘さがなく、酸味が強めです。あと水分が少ないので、味が濃く、歯ごたえもしっかり。
それに対して、日本のイチゴは、甘くて水分たっぷり。酸味もおだやかです。
個人的には、日本のイチゴが持つみずみずしさや、おだやかな酸味には、やさしい味わいの日本酒のほうが合うと思います。
エドワードの注文したシャンパーニュは、「モエ・シャンドン・アンペリアル」、味わいも濃厚で酸味もしっかり。
アメリカのイチゴの濃い味わいや酸味と、ぴったり合います。
シャンパーニュは、もちろんそのまま単体で飲んでも、美味しいお酒です。
上質なレストランで、シャンパーニュにぴったり合う、ステキな前菜といっしょに飲めば、さらに美味しく感じられるとも思います。
でも家のテレビで『プリティ・ウーマン』を観ながら、寝転がって、イチゴを口いっぱいにほおばってから、冷たいシャンパーニュで流し込む。
そんな楽しみ方も、すっごく魅力的です。
イチゴの酸味と香り、ほのかな甘みの輪郭が、シャンパーニュが加わることで、もっとはっきり感じられると思います。
最近はコストコなどのスーパーにも、アメリカのイチゴを売ってたりしますので、ぜひ試してみてくださいね。
お互いに住む世界が違ったからこそ生まれる、さまざまな状況に振り回されながら、それでも最後にお互いを選んだヴィヴィアンとエドワード。
その後の二人の人生が、一人で生きていくよりもステキなものになったのかどうか。
そんな妄想も、いいお酒のおつまみになるかもしれません。
※商品の金額は2024年3月時点のものです。
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